I need you !


今日は、アメリカでの結婚式。

教会の厳粛な式を行った。

まだ友達は誰も結婚してないから、結婚式そのものに参加したことがなかった。

こんなに緊張したのは、生まれて初めてだ。

隣を見ると、魁は、平気な顔をして、牧師さんの言葉に、

《誓います。》

と答えている。

次は、私の番だ。牧師さんが私の目を見て、誓いの言葉を待っている。

私は、一度、魁の方を見てから、

《誓います。》

小さな声で、答えた。

その後は誓いのキスだ。

魁が、ベールをそっと持ち上げて後ろの方に返し、私の肩に両手をあてると、顔を少し傾け、私の唇に静かに触れてきた。

直ぐに離れるだろうと思っていたのに、魁は触れたまま。

牧師さんが、

《うおっほん。》

魁は、やっと離れた。

後から聞いたら、

《ユーリが、自分のものになったことを、実感していたんだ。》

日本では、やめてほしい。
もちろん、声にはしなかったが。


披露宴は、会社関係者と友達が半々で、ガーデン付きのレストランを貸し切って開かれた。

日本とは違い、セレモニーらしきものはなく、食べたり飲んだり、踊ったり、小さなオーケストラが綺麗なバックミュージックをずっと演奏していて、穏やかに歓談していた。

そこに、賑やかで華やかな男女の集団が現れた。

どうやら、モデル時代の仲間たちのようだ。
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