I need you !
魁とは、2年前に、プロポーズをされて、一応婚約はした気がする。
ふたりの間だけだった話のはず。
それが、両親の知るところとなり、その上、世間にも知らしめるとは。
自分の知らないうちに、どうしてそう言う話になったのか?
魁は、日本支社に来るにあたり、専務と言う役職に着くらしい。
若くて独身となれば、取引会社の誰かが、娘を嫁にと考えるのは、当然かもしれない。
「仕事に結婚話が付いて回るのは、できれば避けたいし、その度に、ユーリを不安にさせるのは、嫌だ。
正式に発表すれば、その手の事は回避できるし、俺も仕事に集中できる。」
魁は、おじいちゃんたちがいる場では、流暢な日本語を話す。
「わかった。急な話でびっくりしてしまって、まだ混乱しているけど、事情が許さないようだから、明後日の事は了承しました。」
私は、嬉しいような、ちょっと恥ずかしいような、変な気分だった。
「明日は、魁とドレスを選んできてね。魁の目の色にあわせて、パープルがいいかもね。」
母が楽しそうに言ってくる。
「もしかして、明後日の事は、前から決まっていたの?だって、会社関係を招待しているなら、計画的だよね。」
「俺が、ユーリを驚かせたかったからね。ビックサプライズは、気に入ってくれた?」
「一生忘れないわ。」
魁は、私の頬に軽いキスをしてきた。
私も、魁の頬にキスを返した。