I need you !
婚約式
次の日、魁と私は、婚約式をするホテルの下見と、ブティックにドレスを買いに出掛けた。
《ユーリ、昨日の夜、話がしたかったのに、寝てしまって、悪かった。ごめんよ。》
《ううん、きっと時差の影響だね。魁は、こんなに早く決めてしまって、後悔しない?》
《しないよ。俺は、ユーリがいればいい。ユーリこそ、そう言うってことは、後悔しそうなの?》
《まさか!私も、気持ちは、魁と同じだよ。魁以外と結婚なんて、考えられないから。》
《ユーリ、幸せになろう、ふたりで。》
ホテルに着くと、入り口からずっと注目を浴びる。シアトルでも多少は見られたが、ここまでではなく、さすが日本では目立つんだなあと、改めて感じた。
会場は、招待客を100人位に押さえたから、さほど大きな部屋ではなく、ほっとした。
2時間程度の我慢だな。
次は、母が予約していてくれたブティックに行った。
ブティックの店長さんは、葛西さんと言って、母の古い友人だ。
「この度は、おめでとうございます。お似合いのおふたりですね。」
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。」
魁が、流暢に話すと、
「日本語、お上手ですね。」
「私は、母が日本人で、母とは日本語で話しますから。」
「そうなんですか。では、悠里さんも安心ですね。」
でも、魁は、私とは英語なんだよね。
将来、いずれは シアトルに住むんだろうなと
覚悟しているせいか、英語でも文句を言わず、話している悠里だ。
私たちは、予定通り、パープルのワンショルダーの、ロングドレスを選んだ。魁の瞳の色に合わせて。