溢れるほどの好きを君に
「こんにちは」
長谷部くんの彼女、莉華さんが私の方を向いて挨拶をしてくれた。
私も会釈して返す。
目が合っただけで吸い込まれそうだ…
あっ!
てゆうか私って邪魔なんじゃ…
それに、この場にいるのもなんだか気まづいし、私もちょっと嫌だ。
「そ、それじゃあ私は帰ります!長谷部はゆっくり話してね。じゃあまた。」
そう言って莉華さんにも一礼して私は速く歩いた。
後ろで
「おい、桜井!?」
なんて声が聞こえた気がしたけどふりかえれなかった。
だって今の私きっとひどい顔してる。
今にも泣きそうな、そんな顔。
それから泣かないように泣かないように唇を噛み締めて帰った。