溢れるほどの好きを君に
そして長谷部くんは
「…好き、だな」
そう言った。
その瞬間頭の中が真っ白になって、私の中が黒くて醜い感情でいっぱいになって。
そこからは何を話したのか、どうやって帰ったのかあまり覚えてない。
彼女なんだから当然だよね。急にごめんねっなんて話した気もする。
ただ頭の中では長谷部くんの『…好き、かな』った声が何度も流れてて、莉華さんを思って言ったその言葉も、暖かい眼差しも、
全部私に向けられたものならいいのに。
今まではこんなこと思ったことなかった。
長谷部くんのことずっと見てたけど、見てるだけでいいって、そう思ってきた。
それなのに長谷部くんと実行委員になって、話すようになって、私欲張りになってるんだ。
そして気づいた時には私は家のベッドにいた。