伯爵家の四姉妹

決意の言葉

ウィンスレット公爵家では、舞踏会が開かれた。
ルナもウィンスレット公爵邸でその日を迎えたが、エリザベスとは言葉も少な目なままだった。

さすが公爵家と言うべきか、大広間の広さといい、室内の美しさといい改めてすごいものだと感じる。

大広間に入る前の玄関から広がるホールも見事で、そこにある装飾を施した曲線を描く階段はそれだけで美麗な美術品のようだった。

ルナは、淡いブルーのドレスを身に付けていた。光沢のあるシルクに繊細な白のレースが飾られ、恐ろしく値が張りそうだ。
金の細工に、サファイアをちりばめた美しい首飾りと耳飾り。
サファイアは、フェリクスの瞳の色だ。
その事にルナはどきりとた。

フェリクスのエスコートで舞踏会が始まり、豪華な舞踏会に招待客も笑いさざめき賑やかな雰囲気だった。
二人でいることが自然になり、
「なんだかいい雰囲気になったものだね。フェリクス」
キースが微笑んで言ってきた。
キースがフェリクスに耳打ちし、フェリクスがそっとそれにこたえていた。
ルナはキースと来たレオノーラと話していて、それに気づかなかった。
キースから意味ありげに向けられた微笑みに、ルナはキースとそれからレオノーラをみた。
「お姉様たちこそ、とってもお似合いだわ」
「それはうれしい言葉だ。ルナ、君はもう私の大切な妹だから兄と呼んでほしいな」
「わかったわキースお兄様」
ルナは少しおどけて言ってみた。
「なかなかいいね、お兄様と呼ばれるのは」
キースはくすっと笑った
「キースは腹黒だけど、頼りにはなるはず」
レオノーラはルナにこそっといった。
レオノーラはすらりとした体にそうラインがきれいなドレス姿で、百合の花のような美しさだった。
相変わらず目立つ二人だとルナは見惚れた。

ルナとフェリクスはワルツを踊ったあと、晩餐の用意された部屋の方に向かっていた。

「ルナ、少しそこに立って」
フェリクスが突然いい、戸惑うとルナの前に膝をついた。
「えっ!」
驚くルナの手を捧げるようにもつと
「レディ ルナ・レイア。私と結婚してください、君はすでに知っていると思うけれど、私の心は永遠に君のものだ。どうか、一生、側にいるといってくれないか?」
ルナの心臓は飛び出しそうなほどうるさく鳴り響いていた。
「フェリクス…」
手をひかれ返事を促された。
「もちろん返事は決まっているの。どうか、私をずっと側にいさせてください」
と震える声で言った。

フェリクスの後ろからキースがケースを渡すと、フェリクスはそこから指輪をだして、ルナの左手にはめて額にキスを贈った。

その瞬間に喝采が沸き起こり、注目を浴びていた事にルナは赤面した。
「おめでとう!やったな!」
とフェリクスには乱暴な扱いと祝いの言葉がかけられ、ルナにはアデリンやアナベル。ステファニーやルシアンナが抱き締めに走ってきて、ルナは呆然としつつも幸せでいっぱいであった。

こんなに人がたくさんの所でという恥ずかしさはあったものの、フェリクスのそれだけの決意を感じ取れた。
家族と友人たちにも祝福されて、エリザベスとはぎくしゃくしたままだけれど、上手くやっていけるように努力しようとそして、フェリクス幸せになろうと心から思った。
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