ツギハギ スノー ストロベリィ
ふたり





『ふぅ...。』






朝からずっと、隣国の氷の国の国王と対談をしていた今日は、もう溜め息を吐くことを堪えられなかった







彼は昔堅気なひとで、成人していない、さらに女が国を治めるだなんて!って、私をよく思っていないの





...とても、神経をすり減らす対談、だったわ。







再び溜め息を吐くと同時に、ふわり。肩に柔らかい感触






.......ブランケット?





『あ、ありがと...』






お礼の言葉を言いかけると、続いてデスクにこと、と何かが置かれた






手を伸ばすと、指先に何か陶器のようなモノが触れた




それの形にそってゆるく握れば、じんわりあたたかい温度がてのひらに伝わってきて、それがマグカップだってことがわかったの。







『本当にありがとうございます、少し冷えていたから、嬉しい...』







口元にカップをもっていき、口をつければ相手に悟られぬように匂いを確認。






......やっぱり、何も入っていないみたい





私を裏切らない、その態度は、私には初めてのこと






身体は冷え切っているけれど、ココロは随分とぽかぽかしているわ。









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