王子様と正しい恋愛
「何なんですか?」
「なにが?」
「何がじゃないです。迷惑なんですけど…」
「冷たいなぁアキちゃん」
「馴々しい呼び方止めてください」
天童先輩はぶぅっと頬を膨らませてなんでーと拗ねている。
めんどくさいなぁ…
「私は別に天童先輩に興味ありませんから」
「……小日向が…」
「はい?」
「俺になびかなそうだったからだよ」
何が?
帰ろうとしていた私は、立ち止まって振り替えった。
「なかなか惚れてくれない子、いないからさ?燃えるじゃん。」
「……地獄へ落ちやがれ」
なんて性格悪いんだ!
ずかずかと階段を降りて、私は走って教室に戻る。