王子様と正しい恋愛
ひょこっと角から飛び出してきた天童先輩に、春子さんとその他の女子は目を見開く。
「ダメだよ、俺の玩具に手だしちゃ」
「っ〜!なんで…その子なのよっ…私の方が――…」
「だって春子ちゃん…」
先輩は間をあけて、春子さんを睨んだ。
「俺の玩具、取るんだもん」
「!」
「だから春子ちゃんには俺の玩具つとまりませーん!行こう、小日向」
「待ちなさいよ!!」
振り向くと、いきなり頬に痛みが走る。
「は…?」
もしかして私…
殴られた?
「あんたなんかっ…」
キッと私をキツく睨んむ春子さん。
私はどうしていいか分からなくて、棒立ちするしかなかった。