王子様と正しい恋愛

「私は玩具なんて認めてないっすから。今回のは私の不注意です。だから、お礼っすから!」

「………うん」

急に真顔になる天童先輩。
私が不思議に思っていると、更に口を開いた。

「自分以外の人間なんて玩具以外の何物でもないよ、小日向」

「は…?」

「皆俺に遊ばれて嬉しそうだったよー。飽きたら捨てる。だから、玩具。いいんじゃないかな、あっちも喜んでたみたいだし――…」

なんなのそれ…

「サイッテーだな!」

私は思わずそう叫んだ。

相変わらず天童先輩は眉ひとつぴくりとも動かさずに、真顔で私を見ている。

「皆あんたのこと好きだったんだぞ?!それを玩具ですませんなっ…最後には…」

「捨てる」

「……っ」

「小日向は別だから!」

先輩は笑った。
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