王子様と正しい恋愛
「こんなとこで一人暮らしですか…?」
「うん?うち金持ちだし」
うわ…
真面目に王子様体質だ。
「そーですか…」
『……………』
沈黙が流れる…
「そんなとって食ったりしないんだから安心してよ」
先輩は少し困ったような顔をして言う。
でも、あんたみたいな人を誰が警戒しないでいられようか!
あ、今まで私くらいか?
「はぁ…」
「小日向ってば往生際悪いね〜」
「あの…」
「何か?」
先輩は私の顔をのぞきこんで首を傾げて聞く。
不覚にも可愛らしいと思ってしまった私は、とりあえず顔を背けた。
「もし私が本気で先輩を拒否したらどうするつもりですか?」