王子様と正しい恋愛

「何なんすか！冗談もほどほどにしてくださいよ！」

「ん〜？冗談じゃないよ」

「本気で、真面目に言ってるんすか…？」

「当たり前でしょ。いくら俺でも好きでもない女に彼女んなってなんて言わないよ」

どうしよう…

心臓ばくばくする…

「考えといてね」

「ひぃぃっ！」

いきなりぎゅーっと抱き締められ、すぐに解放された私は驚いて先輩を見た。

「セクハラ？」

「！！」

「嫌じゃなかったら〜…何かな？」

「え…」

嫌じゃなかったら？

「じゃぁまた放課後」

先輩は最後に私の頭をぽんぽんと軽く叩いて、私に背を向けた。

「嫌じゃない…？」

「うわ〜諒、相変わらずかっこいいなぁ」

「山岡先輩？！」

背後からイキナリ山岡先輩が出てきて、さらにその後ろから美央が出てきた。