ある雪の降る日私は運命の恋をする
プロローグ
いつの間にか冷たくなってしまった夜風が頬に当たり、少し身震いをする。
季節は冬。
もう、いつの間にか秋も通り過ぎてしまっていた。
ヒラヒラと雪が降ってくる。
"ねぇ○○ちゃん…俺……待ってるよ?…………ずっと…"
これは……何かの記憶だろうか?精一杯思い出そうと頑張るが、何一つわからない。
"○○ちゃんって、笑うととってもカワイイんだね!"
何か……思い出しそうになる。
「……っ!!」
いきなり激しい頭痛がした。
何これ、思い出しそうになるたびに頭が痛くなる。
ガンガンと頭を誰かに殴りつけられているような感じ。
呼吸も少し乱れてきた。
フラッ
あっと思った時にはもう遅かった
目の前の地面には広がる私の血が見えた。
段々と意識が遠のいていく…………
だめだ……
誰か……誰か助けをよばなきゃ…………
遠のいてく意識の中で必死に考える
「だ……れか、た…すけ……て」
遠くから誰かが走ってくる。
だめだ…視界もぼやけてきた。
もう、男女の区別もつかなくなってしまったようだ。
私の記憶はそこで途絶えた。
< 1 / 505 >