ある雪の降る日私は運命の恋をする
「まずは、結果を伝えるね…。検査の結果、朱鳥は……白血病…だったよ…………」

「うん、気づいてた。だって、楓摩の反応見てたら嫌でも気づいちゃうよ……(笑)」

「そっか……」

朱鳥は、今までに見た事のないようなほどの悲しみを含めた笑顔を浮かべていた。

その目には、ただの悲しみなんかじゃなくて、悲しみと絶望となにかを混ぜたようなとても寂しい目をしていた。

「それで、私はどうなるの?」

「……朱鳥の、白血病のステージは3だった…。ステージ3の5年後の生存率は25~40%…これから、すぐに入院してもらって、治療を始めるよ……」

「ふぅん、なんか他人事みたいだね(笑)だって、私こんなに元気なのにね…って、最近は熱ばっかり出してるし元気じゃないか(苦笑)」

「朱鳥……」

「不思議だね…自分では、元気なつもりなのに生きれる確率が半分以下なんてね……ハハッ、実感なさすぎて笑えちゃうなぁ…………ほんと、笑えちゃう…よね……」

「……」

その朱鳥の姿を見てるのはあまりにも辛すぎた。

俺は、いてもたってもいられなくなって、朱鳥を抱きしめた。

「えっ、どうしたの?楓摩?」

「ごめんね……本当にごめん。こんなに無理させて……」

「えっ?なんで…私、無理なんかしてな……」

「嘘!!……だって、こんなに震えてるじゃん…もう、無理に我慢なんかしないで?見てて辛いよ…」

「楓摩……」

そういうと…朱鳥は静かに涙を流し始めた。
< 100 / 505 >

この作品をシェア

pagetop