ある雪の降る日私は運命の恋をする

入院生活

あれ?

ここは……どこ?

見慣れない風景。

私は…病院にいたはず……

それなのに、なぜか私は道路に立っていた。

「あっ!にーたんだぁっ!ねーパパ!にーたんだよ!」

横断歩道の向こう側にいる女の子が興奮気味に隣に立っているお父さんに話しかけている。

女の子の視線の方向には、小学校高学年から中学生くらいの青年が立っている。

女の子は楽しそうなのに、その子のお父さんは浮かない顔……

信号が青に変わり、女の子がこっちに走ってくる。

すると……

キキーッ!!

近くにあった交差点で車が衝突した……

その反動で横断歩道の方に車が飛んでくる。

「あっちゃん!!」

私の隣に立っていた青年が走っていく。

青年は、女の子をかばうように女の子を抱きしめる……

それは一瞬の出来事だった。

女の子が、驚いたような顔をしたのもつかのま

車が2人に向かってぶつかった……

「キャー!!」

周りが騒然とする。

周りにいた人は悲鳴をあげ、呆気にとられている。

真新しく舗装された真っ白な横断歩道が、真っ赤に染まっていく。

青年の意識はあるようだが、女の子はピクリともしない。

「あ…ちゃん……あ…すか…………だぃ…じょ……ゴホッ」

”朱鳥”?

えっ……
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