ある雪の降る日私は運命の恋をする
次に目を覚ましたのは、病室だった。

カーテンが少し開いていて、そこからうっすら光が入ってくる。

どうやら、夜のようだ。

また、私倒れちゃったんだ。

いつものように、口に管が入っている。

頭が重くて、ダルイ…

それよりも…さっきの夢…………

思い出しただけでも震えてしまいそうなほど怖い。

もう、考える事はやめよう…

これ、以上考えたら頭がもっと重くなっちゃいそう……

ガラッ

誰か入ってきた…

シャッ

カーテンを開けて入ってきたのは今、一番会いたかった人……

「おっ、朱鳥、目が覚めたんだね。おはよっ」

その笑顔に強ばっていた心が癒されていく…

すーっと涙が頬を伝う。

あれ?なんで、私泣いてるんだろう?

「どうした、朱鳥?大丈夫だよ。なんも怖くないから。」

楓摩の大きくて温かい手が私の頭を撫でる。

「とりあえず、喋れないし、苦しいからその管抜こっか。今回は、まだ呼吸が浅いから酸素マスクに取り替えようね。」

テキパキと進めていってくれたおかげであまり、苦しくなかった。

「よし、おっけー。それで、どうしたの?眠っている間に怖い夢でもみた?」

「ふぅ…まぁ……怖かったぁ……」

「うんうん、怖い夢みたんだね。大丈夫だよ、俺がいるからね。」

頭をポンポンとしてくれる。

それに、さらに安心して涙が止まらなくなる。

「大丈夫、大丈夫。」

そのまま、楓摩はしばらく頭を撫でて続けてくれた。
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