ある雪の降る日私は運命の恋をする
俺は朱鳥をしばらく抱きしめ続けた。

そして、しばらくして落ち着いたので、前々から計画していた事を口にした。

「朱鳥、明後日どこかお出かけしない?」

「えっ!?いいの?」

「うん。治療前の気晴らしに、どこか行こ?どこがいい?」

朱鳥と出掛けたくて頑張って予定を調節して、休みの日を設けた。

白血病の治療が始まったら、もう、しばらくは外出できないから。

「私、水族館行きたいっ!」

朱鳥は、目をキラキラさせて俺を見てきた。

「水族館?遊園地とかじゃなくていいの?」

「うんっ!だって、行ったことないし、魚とかイルカとか見てみたいから!」

「そっか、なら水族館にしよっか!」

朱鳥の必死さが可愛くてついつい笑ってしまう。

でも、その素直さが朱鳥の可愛い所だもんな。

「じゃあ、今日はもう寝なよ。体調崩したら行けなくなるからね。」

「うん!楽しみにしてるっ!」

そう言った、朱鳥の笑顔はとても可愛かった。

「おやすみ、朱鳥。」

「うん!おやすみなさい楓摩。」
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