ある雪の降る日私は運命の恋をする
「はぁ~、美味しかったぁ!」

「そうだな、あそこのレストランにして、正解だったね」

「うん、ありがと!」

朱鳥も満足そうな笑顔だ。

「じゃあ、お土産みに行こっか。」

「うん、陽向先生にもお土産買わなきゃね!私も、茉夢にお土産買わなきゃ!」

水族館の売店に行くと、たくさんのグッズが売っていた。

俺は、陽向へのお土産のクッキーと、朱鳥とお揃いのものが欲しくて、色違いのストラップを買った。

朱鳥も茉夢ちゃんにお土産を買ったようだ。

会計に行く前に、俺は可愛らしいイルカの抱き枕を見つけた。

これ、朱鳥に買ってあげたら喜ぶかな?

明日から、朱鳥の治療も始まるし、辛い時に少しは心の支えになってくれるといいな、と思い買うことにした。

「朱鳥ー、買い物終わった?」

「うん、ちょうど今終わった所。てか、楓摩の袋大きくない?そんなに大きいもの買ったの?」

「まあね。あ、そーだ、これ!お揃いのストラップ!」

「うわぁ!可愛い!!ありがと、楓摩!」

朱鳥は、とても幸せそうな顔をしていて、こっちまで幸せな気持ちになってくる。

「あ、そーだ!楓摩、プリクラ撮ろっ!」

「プリクラ?」

「うん!さっき、約束したでしょ?一緒に写真撮るって、だから、どうせだったら水族館限定のプリ撮ろうよ!」

「いいよ」

朱鳥の提案で、プリクラを撮ることにした。

さすが、女子。

ポーズも、落書きも、俺は戸惑っているのに、なんなくこなしてみせる。

す、すげぇ……

”ずーっと仲良し!大好きだよ♡”

今日一番の思い出。

どんな事よりも一番嬉しかった。

一番の宝物。

どんな物よりも大切。

こんなに、幸せな気持ちになったのは、初めてだった。
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