ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥、今日はありがとう。めっちゃ楽しかったよ!朱鳥の笑顔も見れて、幸せだった。」

「楓摩……」

楓摩はそんな風に考えていてくれたんだ。

心の中からさっきまでの考えが吹き飛んでいく。

「わ、私も、楽しかった!また、一緒に行きたいな……」

「うん!そうだね、朱鳥の病気が治って、また元気になったら、何度でも来ようね!今度は水族館じゃなくてもいい。遊園地とか、映画とかさ!色んなところに行って、いっぱい思い出作ろうね!」

「楓摩…ありがとう。」

どこまで、楓摩は優しいんだろう。

私が暗くならないように、明るい話をしてくれる。

その、小さな気遣いで私は大きく救われた。

「朱鳥、もうすぐ着くからねー」

「うん、もう着いちゃうんだね…早いな……」

「本当だよね、楽しい時ほど早く感じるなんて、不思議だよね。嫌な事は長く感じるのに…人間って不思議な生き物だね。」

「楓摩だって人間じゃん(笑)」

「あ、笑った!やっぱり朱鳥は笑顔の方が似合うよ!」

「ふふっ、ありがと。」

そんな事を話していると、あっという間に着いてしまった。

少し、寂しい感じがする。

これからは、頑張らないとね……
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