ある雪の降る日私は運命の恋をする
「……すか、…………朱鳥!」

重い瞼を開けると、そこにいたのはビニール越しの楓摩の姿。

「朱鳥、おはよ。気分はどう?」

「うん、昨日よりはマシかな……」

「じゃあ、熱計ってみて」

楓摩に体温計を渡されて、体温を計る。

ピピピッ♪

「何度だったー?」

「えーと、37.8だった。」

「んー、まだ少し熱あるね…、今日も上がるかもしれないね。それと、朱鳥、昨日からご飯食べてないけど、お腹空いた?」

「…あんまり……」

そういえば食べてないな。

と、思うくらい空腹感がない。

というか、食欲がない。

「じゃあ、点滴で栄養とることになっちゃうけど……」

「なら、食べる!」

点滴は嫌!

もう、これ以上増やされるのは無理!!

「そっか、じゃあ、今から持ってくるから、少しでもいいから口にしてみて。」

「わかったー」

「あ、あと。はい、これ。昨日言ってた本。」

「うわぁ!ありがと!楓摩!」

「いえいえ、どういたしまして。」

昨日は、ずっと寝てばかりだったけど、今日は、少しでも元気でいられるといいな。
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