ある雪の降る日私は運命の恋をする
「ふぅまー、保冷剤持ってきたよ。早く、良くなってね……」

楓摩の熱はだいぶ下がってきたけど、それでも、まだ熱は高い。

萌花さんに、教えてもらった通りに脇下と首元にタオルで包んだ保冷剤を当ててあげる。

そして、水で濡らしてしっかりと絞ったタオルで額の汗を拭いてあげる。

「楓摩ー、これで少し冷たくなって気持ちいい?早く熱、下がるといいね…」

静かな病室で、寝ている楓摩に話しかけているのは、少し寂しいな。

「楓摩、頑張れー……」

相変わらず、まだ少し辛そうな楓摩。

楓摩の頭を撫でる。

楓摩のふわふわの髪の毛は、汗で少し濡れていた。

すると、楓摩は少しだけ目をあけた。

「……ぁ…………すか?…ゴホッ………」

「楓摩っ、大丈夫?」

「うん…なんとかね………ありがと……ゲホッ…朱鳥が、看病してくれたんだね…ゴホッ………嬉しいなぁ…ゲホッ……」

「えへへ、楓摩の役に立てて良かった!」

楓摩は、少しだけ微笑んで、頭を撫でてくれた。

「……ん…………頭……痛ぃ…………ゲホッ」

そう言って、楓摩は顔をしかめた。

「楓摩、大丈夫?」

コクン

頷いたものの、まだ楓摩は辛そうだ。

「ごめんね…朱鳥…………怠くなってきちゃった……」

楓摩また具合悪くなってしまったようで、少しすると、楓摩は、また、すぐに眠ってしまった。

それでも、さっきよりは少しだけ楽になれたようで、気持ちよさそうに眠っていた。

寝ている楓摩を見ていると、こっちまだ眠たくなってきた。

コクリ……コクリ……

と、なっては目を覚まし、寝ちゃダメ!!と、自分に言い聞かせる。

それでも、やっぱり眠たくて、私は、そのまま楓摩の傍で眠ってしまった。
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