ある雪の降る日私は運命の恋をする

「……楓摩…………」

陽向は悔しそうに固く唇を噛み締めて、黙って俺の隣に座ってくれた。

「……楓摩、泣くな。お前がそんな顔じゃ、朱鳥ちゃんどんな気持ちになるんだよ？…悲しいのもわかる、悔しいのもわかる、なんで気づけなかったのかっていう気持ちもわかる。……けど、今は泣いてる場合じゃない。だろ？」

「……っ、あぁ…………」

俺はなんとか冷静になり、震える声で返事をした。

「……お前、朱鳥ちゃんの事が好きなんだな。」

「……え？」

「お前がそんなに感情的になるのも、泣いてるのも、朱鳥ちゃんが大切だからだろ？」

俺はコクっと黙って頷いた。

「なら、簡単だろ。大切にしたい、守りたい、失いたくないって思う気持ち。それは恋愛感情なんだよ？」

陽向は笑いながら俺の胸をツンっとつついた。

「……そう、なの…か？」

「お前なぁ～鈍感すぎだろ(苦笑)
っということで、気持ち切り替えて！ほらっ、スマイル!!それに、まだ決まった訳じゃないだろ？」

なんだろう、陽向はいつもチャラチャラしてるのに、こういう時だけ頼りになる。

心強いな…

そんな事を考えてると、自然と笑顔になれた。

「ん、陽向、ありがとっ！俺、朱鳥ちゃんに説明してくるね」

「おう！ファイト！」