ある雪の降る日私は運命の恋をする
ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

「あれ、36.9だ。微熱出ちゃったね……」

「え……、でも、私元気だよ?映画、行きたい!!」

「えー、でもな……途中で朱鳥が具合い悪くなったら大変だしね。」

なんで……私、めっちゃ楽しみにしてたのに…………

楽しみだから、昨日もちゃんと安静にしてたし、夜も寝たのに……

なんで……

悲しくて、どんどん目に涙が滲んできた。

「朱鳥…………。…っもう、しょうがないな。今日だけだよ?今日は特別。」

「ほんとっ!?」

「でも、約束が三つある。一つ目、車で行くから、車の中でこまめに俺の診察を受けること。二つ目、具合いが少しでも悪くなったら、絶対に俺に言う事。三つ目、帰りに病院に寄ること。これが守れるなら許可します。できる?」

「うん!できるっ!できるから、行こっ!」

「はいはい。わかったよ。じゃあ、早く行こっか。」

そう言って、楓摩は笑顔でナデナデしてくれた。

恥ずかしいから、口には出さないけど、楓摩、ありがと!

それから、お出掛けの用意をして、楓摩の診察を受けてから、家を出た。
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