ある雪の降る日私は運命の恋をする
デスクで仕事を終え、夜の回診へと向かう。

いろいろな病室を周り、残るは朱鳥の病室だけ。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ー、ご飯食べたー?」

「あ、楓摩!聞いてっ!!久しぶりに、全部食べれたんだよっ!!」

「おぉ、すごいね!!偉い!!」

「えへへっ」

そう言って、朱鳥は嬉しそうに笑った。

「じゃあ、診察するからね。」

問題なし。っと

「よし、いいよ。じゃあ、いつも通り、結果が出るまでの1週間は休憩期間ね。今回は、退院できないけど、何もなければ、1日くらいなら、外出の許可も出してあげるよ。」

「ほんとっ!!やった!!」

朱鳥の笑顔に顔が綻ぶ。

「あと、愛依ちゃんの事なんだけどね。」

「うん。」

「愛依ちゃんの心臓は、もうすぐ限界なんだ。だから、本当は今すぐにでも手術が必要なんだけどね。愛依ちゃん、やりたくないって言ってるんだ。」

「え……」

朱鳥は、少し驚いた顔をしていた。

「それでね、朱鳥にお願いがあってね。愛依ちゃんに手術受けるように、言ってくれないかな?本当なら、俺たち医者が説得させるべきなんだけど、俺たちには聞く耳持たずって感じでさ、友達の朱鳥なら聞いてくれるかなって」

「そっか……」

「言ってみてくれる?」

「うん。わかった。私も、愛依ちゃんの事助けたいもん!!協力させて!!」

「ありがとう。」
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