ある雪の降る日私は運命の恋をする

陽向side

「なぁ、愛依。俺、愛依が手術怖いのはわかった。けどさ、やっぱり手術は受けてほしいんだ。」

「………………」

「このまま手術を受けないと、愛依はいずれ死ぬ。だから、そんな事になる前に、手遅れになる前に、お前を救いたいんだ。」

愛依の手を握り、まっすぐ愛依の瞳を見つめる。

「…手術…………してる間に、あたし死なない?」

「……死なない。いや、絶対に死なせない。医療に絶対は無いけど、それでも絶対、助けるから。だから、俺を信じてくれないか?」

しばらく間を空けてから、愛依は口を開いた。

「…………わかった。」

とても、小さな声だったけど、しっかりと聞こえた。

「……あたし、手術…受ける。………陽向先生の事、信じるから。」

「ありがとう。」

俺は、愛依のことをギュッと抱きしめた。

愛依は、震えていた。

「俺、頑張るな。だから、愛依も一緒に頑張ろうな。」

コクン

それからしばらく、俺は愛依のことを抱きしめていた。
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