ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side

ピッピッピッピッ……

久しぶりに聞くこの音……

でも、目の前は真っ暗。

あれ、私、どうしたんだろう?

音は聞こえるのに、目は開けられない。

「朱鳥ー、おはよー。朝の回診するね。」

楓摩……?

「経過は良好だね。あとは、朱鳥が目を覚ますだけだよ。だから、早く起きてね……」

え、楓摩、もう行っちゃうの……?

待って!!

もう少しだけ、居て……

私、楓摩の顔みたい……

楓摩と一緒に居たい……

楓摩と会いたい……

楓摩……っ!!


















「え……朱鳥?」

急に真っ暗だった、世界から光が現れる。

そこには、ずっと待ち望んでいた愛する人の姿。

「朱鳥!!おはよう!!本当におはよう!!」

楓摩は、涙を流しながら、とても幸せそうな笑顔を浮かべた。

「……ふぅ…………ま…」

私の目からも涙がこぼれる。

楓摩は、私を強く抱きしめた。

この温もり。

久しぶり……

嬉しい………………

「朱鳥、本当にごめんね。苦しかったよね、辛かったよね、ごめんね!!俺があんな事で嫉妬なんてしなければ……本当にごめんっ!!」

「……だぃ…………じょぶ…だょ……」

この会話、前にもしたような気がする……

私たち、馬鹿なんだね(笑)

片方が一方的に悪いんじゃなくて、両方つい、カッとなったり、感情的になっちゃうから喧嘩になっちゃうだけ。

これからも、喧嘩する事は、ありそうだけど、きっと、すぐに仲直りできるよね。

そう考えると、微笑ましく思えた。
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