ある雪の降る日私は運命の恋をする
「すか、朱鳥!!」

「……あ…………楓摩。」

「おはよ。俺、今日の仕事終わったから来たけど、大丈夫?顔色、悪いけど……」

さすが楓摩。

実は、朝寝た後、強烈なお腹の痛さで目が覚めた。

頭も痛いし、もしかして、と思い、シーツを見てみると、案の定、女の子の日が来ていた。

でも、点滴も着いたまんまだし、酸素マスクもあったので、ナースコールを押して看護師さんに来てもらい、シーツを変えてもらった。

それから、着替えをして、しばらくベッドの上でゴロゴロしていたが、お腹の痛さが辛くて、もう1度寝る事にした。

「朱鳥、大丈夫?」

「うん……ちょっと、頭とお腹が痛いだけ。大丈夫だよ。」

「あぁ、もしかして来ちゃった?」

「うん……」

「それで、お腹が痛いんだね。痛み、酷い?」

コクン

私は、前から痛みが強い方で、ひどい時は学校を休むくらいの痛みだった。

今日も、それくらいお腹が痛い。

「じゃあ、ちょっと待ってて。少しだけでも良くなるように湯たんぽ持ってくるから。」

「うん、お願い。」

そう言うと、楓摩は走って病室を出ていった。

楓摩を待っている間もお腹が痛む。

それに、なんか気持ち悪い…

気持ち悪さがピークになって、ベッドの横にあった、桶を取って吐き出す。

「……ウッ…………オエエ………」

ガラッ

「朱鳥ー、持ってきたよー。って、吐いちゃったの?大丈夫?」

そう言って背中を摩ってくれる。

吐き気はあっても、吐き出せるものは少なく、すぐに胃酸だけになってしまう。

「朱鳥、今日は辛そうだし、もう寝たら?さっきも、寝てたみたいだけど、そっちの方がいいよ。話はまた、明日しよ?」

コクン

そう、頷くと、楓摩は笑って頭を撫でてくれた。

楓摩から、湯たんぽを受け取り、お腹に当てる。

ほんの少しだけど、痛さが緩和される気がする。

私は、そのまま目を閉じて、眠りについた。
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