ある雪の降る日私は運命の恋をする
コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ちゃん、どうしたー?」

「陽向先生…」

楓摩に、陽向先生を呼んでもらって愛依ちゃんの事を相談しようと思った。

「どうした、相談?なにか、あった?」

「……陽向先生は、好きな人っています?」

「んー、まあ、一応な。」

「じゃあ、その好きな人に彼氏がいて、その彼氏が友達だったら、どう思います?」

陽向先生は、しばらく考えてから、口を開いた。

「んー、これはあくまで、俺の意見だけど、俺は、その好きな人と彼氏さんに上手くいって欲しいな。やっぱり、失恋するのは嫌だけど、友達には幸せになって欲しいしな」

「……そっか。」

「相談ってこれ?恋愛相談だったのか。確かに、楓摩じゃ無理そうだもんな」

ハハッと笑う陽向先生。

でも、一方の私は依然浮かない顔のまま。

「私の友達が、楓摩の事…好きなんです……それで、今度告白するんだって言ってて、その友達は私と楓摩が付き合ってる事知らなくて、私、どうすればいいかわからなくって……」

「そっか。俺は、その友達には話すべきだと思うよ。告白した後に知ったら、余計に傷付くんじゃないかな?」

そう…だよね……

「でも、いつ言っていいかわからないんです……」

「んー、少なくともその子が告白する前。でも、できるだけ早い方が俺はいいと思う。」

「わかりました。……じゃあ、私、今日言ってきます!!」

「おう、頑張ってな!!」

陽向先生は、そう言って頭をポンポンとしてくれた。

愛依ちゃんに友達やめる。

って言われるのは1番嫌だから。

だから、嫌われる事は怖いけど、言う。

そう固く決心した。
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