ある雪の降る日私は運命の恋をする
屋上のドアを開ける。

まだ、少しだけ寒い春の風が髪を揺らす。

陽向と一緒にベンチに座る。

「ここなら、話せるな。」

「うん、愛依ちゃんと朱鳥の喧嘩のことでしょ?」

「おう。楓摩もわかってると思うけど、今日さ、2人喧嘩してたよな。」

「うん……」

「それでさ、愛依がさっき、病室で泣いてたんだ。どうしたの?って聞いても、女の子の事だから放っておいてって言われちゃったから、それ以上聞けなかったんだけど、何か知ってる?」

愛依ちゃんと喧嘩したことは知ってるけど、それ以外はほぼ知らないな……

あとは、あの、気になる朱鳥の言葉だけ。

「"好きな人を好きって言って何が悪いの"」

「え?」

「朱鳥、が言ってた。"好きな人を好きって言って何が悪いの"って。でも、それ以外は、何もわかんないや。」

「好きな人……って、お前の事か?」

「多分……」

「女の子の話…好きな人……って………………あっ!!」

「ん?どした?」

「わかった。全部繋がった!!そーゆー事か!!」

陽向は、1人で納得してるけど、俺はわからないまま。

「どういうこと?」

「あのな……」
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