ある雪の降る日私は運命の恋をする
コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ー、起きてるー?」

「楓摩……」

朱鳥の病室へ行くと、朱鳥は、暗い顔をして、何かを考え込んでいた。

きっと、また、喧嘩の事だろう。

「楓摩、どうしたの?」

「んー、いや、ちょっと話があってさ……。ちょっとだけ、待ってくれない?」

「え……?うん。」

そう言うと、俺も朱鳥も、何を話していいかわからず黙ってしまう。

3分ほどすると、ドアが開いて陽向が入ってきた。

「え?陽向先生……?」

「やっほー、朱鳥ちゃん。ごめんね、突然来ちゃって。でも、少しだけ時間いいかな?」

「……うん。」

「ありがと。じゃあ、入っておいで。」

手筈通り陽向がそう言うと、愛依ちゃんが入ってきた。

「…………愛依ちゃん…」

朱鳥は、驚いた顔だ。

「ごめんね、どうしても、仲直りして欲しくてさ。陽向と俺は部屋出てるから、2人で話してくれないかな?」

そう言うと、朱鳥は、少しだけ俯いてしまった。

「じゃあ、俺らは出てるから、愛依も、朱鳥ちゃんもちゃんと仲直りするんだよ?」

「「………………」」

そう言うと、俺と陽向は、病室を出た。
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