ある雪の降る日私は運命の恋をする
病室に入り、荷物を置いてベッドに寝っ転がる。
「じゃあ、朱鳥、俺、点滴取ってくるからちょっと待ってて。」
「……うん…」
楓摩が帰ってきたら、とうとう始まってしまう……
無菌室だから、辛くても楓摩にギュッってしてもらうことも、ましてや、抱っこしてもらうことすら許されない。
それに、今回は強めの薬を使うって言ってたし、もっと辛いんだろうな……
そんな事を考えていると、病室のドアが開いた。
「朱鳥ー、持ってきたよー」
反射的に腕を布団の中に隠す。
「朱鳥、手、出して?」
「………………」
恐る恐る、布団から腕を出す。
楓摩に服を捲られて、素肌が出る。
「消毒するねー」
腕に触れられた瞬間、つい、ビクッと反応してしまった。
消毒液のヒンヤリとした感じが、余計に怖さを引き立たせる。
「じゃあ、指すよー」
ギュッと目を瞑っていると、腕に痛みが走った。
「よし、いいよ。頑張ったね。」
楓摩の方を向くと、楓摩はマスク越しに笑っていた。
「朱鳥、これから治療が始まるけど、辛かったらすぐに言ってね?俺もできる限り来るようにはするから。」
「…うん…………」
「よし、頑張ろうね!!じゃあ、俺は仕事行ってくるね。」
そう言って楓摩は、病室を出ていってしまった。
一気に寂しさがこみ上げてくる。
寂しさと、これからの治療に対する不安、それと恐怖に、私は涙を流した。
それから、枕に顔を埋めてしばらく泣いていた。
「じゃあ、朱鳥、俺、点滴取ってくるからちょっと待ってて。」
「……うん…」
楓摩が帰ってきたら、とうとう始まってしまう……
無菌室だから、辛くても楓摩にギュッってしてもらうことも、ましてや、抱っこしてもらうことすら許されない。
それに、今回は強めの薬を使うって言ってたし、もっと辛いんだろうな……
そんな事を考えていると、病室のドアが開いた。
「朱鳥ー、持ってきたよー」
反射的に腕を布団の中に隠す。
「朱鳥、手、出して?」
「………………」
恐る恐る、布団から腕を出す。
楓摩に服を捲られて、素肌が出る。
「消毒するねー」
腕に触れられた瞬間、つい、ビクッと反応してしまった。
消毒液のヒンヤリとした感じが、余計に怖さを引き立たせる。
「じゃあ、指すよー」
ギュッと目を瞑っていると、腕に痛みが走った。
「よし、いいよ。頑張ったね。」
楓摩の方を向くと、楓摩はマスク越しに笑っていた。
「朱鳥、これから治療が始まるけど、辛かったらすぐに言ってね?俺もできる限り来るようにはするから。」
「…うん…………」
「よし、頑張ろうね!!じゃあ、俺は仕事行ってくるね。」
そう言って楓摩は、病室を出ていってしまった。
一気に寂しさがこみ上げてくる。
寂しさと、これからの治療に対する不安、それと恐怖に、私は涙を流した。
それから、枕に顔を埋めてしばらく泣いていた。