ある雪の降る日私は運命の恋をする
冷えピタと保冷剤を持って朱鳥の病室へ急ぐ。
ガラッ
「朱鳥ー、持ってきたよー」
「…ふぅま…………」
病室に入ると、朱鳥はポロポロと泣いていた。
驚いて、駆け足で朱鳥の元へ向かう。
「朱鳥、どうした?」
「……グスッ…頭………痛い…………」
「泣いちゃうほど痛い?」
コクン
「うーん、じゃあ、冷えピタ貼って飲み薬飲んでみる?」
コクン
「わかった。じゃあ、一旦冷えピタ貼るね。」
朱鳥の額の汗をタオルで軽く拭い、冷えピタを貼る。
そして、首周りと脇に保冷剤を当ててあげる。
「よし、じゃあ、薬取ってくるから、ちょっと待っててね。」
コクン
小走りで薬を取りに行く。
頭痛も副作用の一つだけど、あそこまで痛がってるし、かなり辛そうだな。
「ん?あ、楓摩じゃん。そんなに急いでどうした?」
薬を取りに行ってる途中、陽向と会った。
「朱鳥が、酷い頭痛があるみたいで、これから薬取りに行くの。頭痛いって泣いてたから、早く行きたくて。」
「そっか。じゃあ、俺、取ってきてやるよ。楓摩は、朱鳥ちゃんの所にいな?」
「いいのか?」
「ああ。」
「本当、ありがと!!助かる!!」
そう言うと、陽向は小走りで薬を取りに向かってくれた。
俺は朱鳥の病室に向かう。
ガラッ
病室に入ると、まだ朱鳥は泣いていた。
「朱鳥、今、陽向が薬持って来てくれるって。それまで、ちょっと我慢しよーな。」
「…楓摩…………頭……割れちゃいそう………」
「そんなに痛いのか……辛いな…。」
ギュッと朱鳥の手を握る。
すると朱鳥は、ギュッと俺の手を握り返してくれた。
「よしよし、頑張れー」
朱鳥の辛そうな顔は見てるだけで胸が痛くなる。
少しして、陽向が薬を持って来てくれた。
「朱鳥ちゃん、薬持ってきたよー。」
「…ひ……なた………せんせ…………」
「あー、だいぶ副作用にやられちゃってるね…。キツイしょ?」
コクン
「朱鳥、じゃあ、薬飲もっか。一回起き上がれる?」
ウウン
起き上がる力も無いほど辛いのか……
「じゃあ、ちょっとベッド上げるよー」
ベッドを起こして座れる状態にする。
「じゃあ、薬とお水飲んで」
コクン
朱鳥は、辛そうな顔で薬を口に含み、水と一緒に飲み込んだ。
「朱鳥、大丈夫?吐きそうじゃない?」
「……大丈夫…」
「そっか。じゃあ、辛いから寝ような。」
そう言って、ベッドを下げ朱鳥に布団をかける。
「陽向、ありがと。お前も、まだ自分の仕事あるしょ?もう、戻っていいよ。ごめん、いつもありがとな。」
「いやいや、全然大丈夫だよ。じゃあ、朱鳥ちゃんお大事にね」
そう言って、陽向はヒラヒラと手を振って病室を出ていった。
「朱鳥、ちょっと部屋暗くするよー」
「…うん」
部屋を暗くして、朱鳥が寝付くのを待つ。
だけど、15分ほどしても、一向に寝る様子がない。
「朱鳥、眠れない?」
コクン
「昼間に寝過ぎちゃったかなー?でも、寝ないと辛いよね?」
コクン
「…んー…………薬使う?」
「……飲み薬?」
「うん。飲み薬なら痛くないし少ししたら眠たくなると思うけど使う?」
「…うん。」
「わかった。じゃあ、取ってくるね。」
病室を出て、薬を取りに行く。
朱鳥は、副作用が大きいみたいだから、頻繁に寝るようにはしてるけど、そのせいで夜眠れなくなっているようだ。
完全に生活バランスが崩れている……
でも、辛い時に寝るな…とは言えないし……
かと言って、夜に睡眠薬ばかり使って薬漬けになっても嫌だしな……
少しずつでいいから改善してくれると良いんだけど…
そんな事を考えながら薬を取って朱鳥の病室に戻る。
ガラッ
「朱鳥ー、持ってきたよー」
「ん……」
ベッドを、起こし朱鳥に水と薬を渡す。
朱鳥は、薬を飲むとベッドにもたれかかって、俺の方を向いてきた。
「朱鳥、大丈夫?」
ウウン
いつもなら、コクン と頷いてくれるのに…
「辛い?」
コクン
俺は朱鳥の手を取った。
「朱鳥、頑張ろ?俺も傍にいる。体が辛い時は俺たち医者や看護師さんもいる。心が辛い時は俺に相談していいから。」
コクン
そう頷いて朱鳥は涙を流した。
「……もう、頑張ったもん……………」
「うん」
「…私、いっぱい頑張った……」
「うん」
「………だから…もう……頑張りたくない…………」
「…じゃあ、これまで頑張った分無駄になっちゃうよ?」
「え……」
「朱鳥が、いっつもめちゃくちゃ頑張ってるのは知ってる。辛いのもわかる。…けどさ、頑張るの辞めたら、これまで辛いのを我慢してきた分無駄になっちゃうんだよ?それでも、いい?」
ウウン
「じゃあ、頑張ろ?」
「………………」
「朱鳥、知ってる?人生には死ぬほど苦しい事もある。だけど、死ぬ 苦しいって語呂合わせにしたら49でしょ?でもね、人生を100としたら、死ぬほど苦しい事は49でも逆に100-49=51。苦しいことよりも楽しくて幸せな事の方が多いんだよ。だから、大丈夫。今、苦しいのを乗り越えたら幸せがいっぱい待ってるからさ。ね?」
そう言うと、朱鳥はさっきよりも多くの涙を流した。
「……ふぅま…グスッ……私………頑張る……」
「うん。偉い!!じゃあ、今日はもう寝よ?明日にはきっと、良くなってるはずだから。朱鳥の辛さが消えていますように…。おやすみ」
「…おやすみ」
そう言って俺達はニコッと笑いあった。
ガラッ
「朱鳥ー、持ってきたよー」
「…ふぅま…………」
病室に入ると、朱鳥はポロポロと泣いていた。
驚いて、駆け足で朱鳥の元へ向かう。
「朱鳥、どうした?」
「……グスッ…頭………痛い…………」
「泣いちゃうほど痛い?」
コクン
「うーん、じゃあ、冷えピタ貼って飲み薬飲んでみる?」
コクン
「わかった。じゃあ、一旦冷えピタ貼るね。」
朱鳥の額の汗をタオルで軽く拭い、冷えピタを貼る。
そして、首周りと脇に保冷剤を当ててあげる。
「よし、じゃあ、薬取ってくるから、ちょっと待っててね。」
コクン
小走りで薬を取りに行く。
頭痛も副作用の一つだけど、あそこまで痛がってるし、かなり辛そうだな。
「ん?あ、楓摩じゃん。そんなに急いでどうした?」
薬を取りに行ってる途中、陽向と会った。
「朱鳥が、酷い頭痛があるみたいで、これから薬取りに行くの。頭痛いって泣いてたから、早く行きたくて。」
「そっか。じゃあ、俺、取ってきてやるよ。楓摩は、朱鳥ちゃんの所にいな?」
「いいのか?」
「ああ。」
「本当、ありがと!!助かる!!」
そう言うと、陽向は小走りで薬を取りに向かってくれた。
俺は朱鳥の病室に向かう。
ガラッ
病室に入ると、まだ朱鳥は泣いていた。
「朱鳥、今、陽向が薬持って来てくれるって。それまで、ちょっと我慢しよーな。」
「…楓摩…………頭……割れちゃいそう………」
「そんなに痛いのか……辛いな…。」
ギュッと朱鳥の手を握る。
すると朱鳥は、ギュッと俺の手を握り返してくれた。
「よしよし、頑張れー」
朱鳥の辛そうな顔は見てるだけで胸が痛くなる。
少しして、陽向が薬を持って来てくれた。
「朱鳥ちゃん、薬持ってきたよー。」
「…ひ……なた………せんせ…………」
「あー、だいぶ副作用にやられちゃってるね…。キツイしょ?」
コクン
「朱鳥、じゃあ、薬飲もっか。一回起き上がれる?」
ウウン
起き上がる力も無いほど辛いのか……
「じゃあ、ちょっとベッド上げるよー」
ベッドを起こして座れる状態にする。
「じゃあ、薬とお水飲んで」
コクン
朱鳥は、辛そうな顔で薬を口に含み、水と一緒に飲み込んだ。
「朱鳥、大丈夫?吐きそうじゃない?」
「……大丈夫…」
「そっか。じゃあ、辛いから寝ような。」
そう言って、ベッドを下げ朱鳥に布団をかける。
「陽向、ありがと。お前も、まだ自分の仕事あるしょ?もう、戻っていいよ。ごめん、いつもありがとな。」
「いやいや、全然大丈夫だよ。じゃあ、朱鳥ちゃんお大事にね」
そう言って、陽向はヒラヒラと手を振って病室を出ていった。
「朱鳥、ちょっと部屋暗くするよー」
「…うん」
部屋を暗くして、朱鳥が寝付くのを待つ。
だけど、15分ほどしても、一向に寝る様子がない。
「朱鳥、眠れない?」
コクン
「昼間に寝過ぎちゃったかなー?でも、寝ないと辛いよね?」
コクン
「…んー…………薬使う?」
「……飲み薬?」
「うん。飲み薬なら痛くないし少ししたら眠たくなると思うけど使う?」
「…うん。」
「わかった。じゃあ、取ってくるね。」
病室を出て、薬を取りに行く。
朱鳥は、副作用が大きいみたいだから、頻繁に寝るようにはしてるけど、そのせいで夜眠れなくなっているようだ。
完全に生活バランスが崩れている……
でも、辛い時に寝るな…とは言えないし……
かと言って、夜に睡眠薬ばかり使って薬漬けになっても嫌だしな……
少しずつでいいから改善してくれると良いんだけど…
そんな事を考えながら薬を取って朱鳥の病室に戻る。
ガラッ
「朱鳥ー、持ってきたよー」
「ん……」
ベッドを、起こし朱鳥に水と薬を渡す。
朱鳥は、薬を飲むとベッドにもたれかかって、俺の方を向いてきた。
「朱鳥、大丈夫?」
ウウン
いつもなら、コクン と頷いてくれるのに…
「辛い?」
コクン
俺は朱鳥の手を取った。
「朱鳥、頑張ろ?俺も傍にいる。体が辛い時は俺たち医者や看護師さんもいる。心が辛い時は俺に相談していいから。」
コクン
そう頷いて朱鳥は涙を流した。
「……もう、頑張ったもん……………」
「うん」
「…私、いっぱい頑張った……」
「うん」
「………だから…もう……頑張りたくない…………」
「…じゃあ、これまで頑張った分無駄になっちゃうよ?」
「え……」
「朱鳥が、いっつもめちゃくちゃ頑張ってるのは知ってる。辛いのもわかる。…けどさ、頑張るの辞めたら、これまで辛いのを我慢してきた分無駄になっちゃうんだよ?それでも、いい?」
ウウン
「じゃあ、頑張ろ?」
「………………」
「朱鳥、知ってる?人生には死ぬほど苦しい事もある。だけど、死ぬ 苦しいって語呂合わせにしたら49でしょ?でもね、人生を100としたら、死ぬほど苦しい事は49でも逆に100-49=51。苦しいことよりも楽しくて幸せな事の方が多いんだよ。だから、大丈夫。今、苦しいのを乗り越えたら幸せがいっぱい待ってるからさ。ね?」
そう言うと、朱鳥はさっきよりも多くの涙を流した。
「……ふぅま…グスッ……私………頑張る……」
「うん。偉い!!じゃあ、今日はもう寝よ?明日にはきっと、良くなってるはずだから。朱鳥の辛さが消えていますように…。おやすみ」
「…おやすみ」
そう言って俺達はニコッと笑いあった。