ある雪の降る日私は運命の恋をする
ん…………眩しい…

いつの間にか俺は病院の仮眠室で眠っていた。

さっきのは、何の夢だったのだろう……

まったく身に覚えがない。

それよりも、仕事…

携帯を開くと、もう朝の6時だった。

ナースステーション行こ……

ベッドから起き上がり、白衣を着て身だしなみを整える。

仮眠室では、まだ寝ている先生もいるので、そっと仮眠室を出る。

一度、自動販売機でコーヒーを数個買って、それからナースステーションへ向かう。

ナースステーションには、夜勤の看護師さん達が何人かいた。

「おはようございます。夜勤、お疲れ様です。これ、差し入れです、皆さんで飲んでください。」

それまで、疲れた顔や眠そうな顔をしていた看護師さんたちの表情が明るくなる。

「いいんですか?ありがとうございます!!」

「うわ~!!嬉しい!!」

などの声が聞こえて、こっちまで元気になる。

すると、いつも朝早くからいる、看護師長さんの柏木さんがやって来た。

「清水先生、おはようございます。今日も早いですね。朱鳥ちゃんですか?」

「…はい。少し様子が気になってしまって」

「清水先生は本当にお優しいんですね。いつも、当直でもないのに夜遅くまで熱心に勉強していらっしゃってるし、いつも朝早くからナースステーションに来ていますもんね。」

「いやいや、そんな事ないですよ。ただ、何もしないよりは良いと思っちゃうんです。…それに、他の先生よりも、身内の用事で休ませてもらうことも多いですし……」

「そうですか?まあ、それでも清水先生は他の先生よりも熱心だと思いますよ」

そう言って、柏木さんはニコッと微笑んでくれた。

あまり、人に褒められるのは慣れていない為、少し照れくさい。

「ありがとうございます。じゃあ、ちょっと朱鳥の部屋に行ってきます」

「はい、たまには自分の事も気にかけてあげてくださいね」

「はい!」

そう言って、俺はナースステーションを出た。
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