ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side4

朱鳥を起こさないように、そっと布団を出る。

時刻は午前7:00。

もうそろそろ、仕事の時間だ。

それよりも、少し前に医局へ行きたかったので、いつもより早く医局へ向かう。

朱鳥には、書き置きを残していった。

今日、1日は安静にしている事と、また後で来るから ということを書いておいた。

多分、今日1日はドタバタするような事も無さそうなので、大丈夫だろう。

久しぶりに訪れる普通の日。

昨日までは、朱鳥の容態があまり良くなかったので、ずっと緊張した状態だったが、今日はその心配もなさそうだ。

「おはようございまーす」

医局に入って、自分のデスクにつく。

パソコンを立ち上げて、今日の予定や患者さんのカルテなどを読む。

すると、後ろから騒がしい奴がやってきた。

「よっ!!ふーま!!」

「おう、おはよ。」

「うっわ~、朝から冷てぇ奴だな~」

「はいはい。すみませんね。」

コイツの場合、突っかかると余計にうるさくなるので、冷たくあしらう。

「むぅ~。それより、朱鳥ちゃん容態良くなったって?」

「ん?あ、そうそう。朱鳥、もう熱も引いたし、元気そうだから今朝病室も移動したよ。"早く移動したい!!"ってうるさくてさ~」

「ハハッ、元気だな~。まぁ、とりあえず良かったよ。最近、朱鳥ちゃんもお前も元気なかったもんな。」

「アハハ、そうだな。でも、今日の朝、いっぱいイチャイチャしてきたから、もう大丈夫だ!!」

「くっそー!!リア充め……」

そう言って陽向は、俺の事を睨んでくる。

「お前だって、最近、愛依ちゃんといい感じなんじゃないのかよ?」

「っ/////…やめろ……その話はっ!!」

「うっわ~露骨だな~。まぁ、いいや。お互いみんなが元気なのが何よりだしな。」

「そうだな。じゃ、仕事、頑張れよ~」

「おう!」

そう言うと、陽向は自分のデスクについて真面目に仕事をし始めた。

アイツ、やる時はやるもんな……

よしっ。

俺も目の前の仕事に集中する事にした。
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