ある雪の降る日私は運命の恋をする
朱鳥side5
怖い
嫌だ
辛い
寂しい
助けて
そんな感情ばかりが頭の中をグルグルと回る。
また、怖い夢を見た。
一時期収まっていたものの、また最近昔の夢を見るようになっていた。
夢の中では、本当に殴られたような、リアルな痛みと苦痛を感じる。
起きたら、痛みは無いが、怖さばかりが出てくる。
それに、起きたばかりの時に看護師さんや楓摩以外の人が来ると、怖くなって、体が拒否してしまう。
自分でも、抑えよう、我慢しようと、何度も考えた。
でも、やっぱり、怖くなっちゃって、自然と涙が出てきて震えてしまう。
無意識のうちに、人を拒否して、暴れている。
そんな自分が情けなくて、なんでこんな事をしてしまうのか悲しくなってしまう。
そう考えていると、次は途端に寂しくなってまた涙がこぼれてくる。
なんで、こんなに泣いているんだろう、昔から泣き虫な自分ではあったが、ここまで1日に何回も泣く事はそうそうなかった。
そういえば、最近は昔の夢を見る時に、おじさんに暴力を振るわれる夢だけを見る訳では無い。
昔、おじさんの事を学校の先生に相談した事があった。
だけど、先生はおじさんが警察官だから、という理由で私よ話を信じてくれなかった。
誰も私の事は信じてくれず、イジメられる毎日。
先生も、近所の人も見て見ぬ振りをする。
そんな夢も、見るようになっていた。
そういう夢を見た時は、目が覚めたあとに、無性に寂しくなって泣いてしまった。
泣くのは他の人の迷惑になる。
そんな事知っている。
だけど、止めたいけど、胸が痛くて苦しくて涙が溢れてくるんだもん。
拭いても、拭いても、溢れてきて、また誰かに迷惑をかける。
そんな泣いてばっかりの、弱い自分が、嫌い。
大嫌い。
人に迷惑しかかけなくて、めんどくさい存在。
だけど、ここで現実から逃げようとすると、もっと人に迷惑をかける。
そんな事を永遠と考え続け、気付いたら夜が明けていた。
そういう事も珍しくはなかった。
今日もまた、こんな事を考えて、夜が終わりそうになっていた。
その時
コンコンッ
私の大好きな、優しいノックの音が聞こえた。
ガラッ
私は、泣いているのが恥ずかしくて反射的にドアとは反対の方を向いた。
「……朱鳥、泣いているの?」
その優しい声に、また涙が溢れる。
「朱鳥、こっち向いて?…寂しいなら、ギュッしよ?」
私は、その時何故か素直にウンと頷く事が出来なかった。
すると、しばらくして、後ろから暖かい熱が伝わってきた。
楓摩が、私を抱き寄せたのだ。
暖かい熱が、私の心を落ち着かせる。
「…朱鳥、大丈夫だから、何があったのか教えて?」
楓摩が優しく耳元で囁く。
それを聞いて、私はまた涙を流してから今までの感情を楓摩に全て打ち明けた。
楓摩は、その間、ずっとよしよしと背中を撫でてくれていて、私はもっと涙を流して、嗚咽をこぼしながら、楓摩に話した。
嫌だ
辛い
寂しい
助けて
そんな感情ばかりが頭の中をグルグルと回る。
また、怖い夢を見た。
一時期収まっていたものの、また最近昔の夢を見るようになっていた。
夢の中では、本当に殴られたような、リアルな痛みと苦痛を感じる。
起きたら、痛みは無いが、怖さばかりが出てくる。
それに、起きたばかりの時に看護師さんや楓摩以外の人が来ると、怖くなって、体が拒否してしまう。
自分でも、抑えよう、我慢しようと、何度も考えた。
でも、やっぱり、怖くなっちゃって、自然と涙が出てきて震えてしまう。
無意識のうちに、人を拒否して、暴れている。
そんな自分が情けなくて、なんでこんな事をしてしまうのか悲しくなってしまう。
そう考えていると、次は途端に寂しくなってまた涙がこぼれてくる。
なんで、こんなに泣いているんだろう、昔から泣き虫な自分ではあったが、ここまで1日に何回も泣く事はそうそうなかった。
そういえば、最近は昔の夢を見る時に、おじさんに暴力を振るわれる夢だけを見る訳では無い。
昔、おじさんの事を学校の先生に相談した事があった。
だけど、先生はおじさんが警察官だから、という理由で私よ話を信じてくれなかった。
誰も私の事は信じてくれず、イジメられる毎日。
先生も、近所の人も見て見ぬ振りをする。
そんな夢も、見るようになっていた。
そういう夢を見た時は、目が覚めたあとに、無性に寂しくなって泣いてしまった。
泣くのは他の人の迷惑になる。
そんな事知っている。
だけど、止めたいけど、胸が痛くて苦しくて涙が溢れてくるんだもん。
拭いても、拭いても、溢れてきて、また誰かに迷惑をかける。
そんな泣いてばっかりの、弱い自分が、嫌い。
大嫌い。
人に迷惑しかかけなくて、めんどくさい存在。
だけど、ここで現実から逃げようとすると、もっと人に迷惑をかける。
そんな事を永遠と考え続け、気付いたら夜が明けていた。
そういう事も珍しくはなかった。
今日もまた、こんな事を考えて、夜が終わりそうになっていた。
その時
コンコンッ
私の大好きな、優しいノックの音が聞こえた。
ガラッ
私は、泣いているのが恥ずかしくて反射的にドアとは反対の方を向いた。
「……朱鳥、泣いているの?」
その優しい声に、また涙が溢れる。
「朱鳥、こっち向いて?…寂しいなら、ギュッしよ?」
私は、その時何故か素直にウンと頷く事が出来なかった。
すると、しばらくして、後ろから暖かい熱が伝わってきた。
楓摩が、私を抱き寄せたのだ。
暖かい熱が、私の心を落ち着かせる。
「…朱鳥、大丈夫だから、何があったのか教えて?」
楓摩が優しく耳元で囁く。
それを聞いて、私はまた涙を流してから今までの感情を楓摩に全て打ち明けた。
楓摩は、その間、ずっとよしよしと背中を撫でてくれていて、私はもっと涙を流して、嗚咽をこぼしながら、楓摩に話した。