ある雪の降る日私は運命の恋をする
目を覚ますと、もう外は明るかった。

昨日の昼に寝たはずなのに、もう朝か……

時計を見ると、朝の5:30。

まだ、こんなに早いからみんな寝ているようだ。

昨日よりは体も楽で、まだ少し具合悪さが残っているものの、昨日よりは断然気分も良く、起きていても辛くはなかった。

だからと言って、この時間なので、なにもする事も無く、しょうがないから、ベッドの上でボーッとしていた。

すると、15分くらい経った時、いきなり激しい頭痛が走った。

「っ!!……痛った…………」

ガンガンと頭の中に響くような痛み。

ギュッと目を瞑ると、頭の中に映像が浮かんだ。



小さい女の子と小学生くらいの男の子が楽しげに手を繋ぎながら歩いている。



だけど、次の瞬間、場面転換のように、あたりが真っ暗になって、次に浮かんできたのは



さっきの女の子と男の子が血を流して倒れている様子。



男の子の方は、必死に女の子を抱きしめている。



映像は、そこで途切れた。



「……な…にこれ…………」

無意識に出てきた言葉。

だんだん怖くなって、なんだか寂しくなって、私は涙を流した。

胸がキュッと締め付けられるような感じがして、涙が出る。

それに、また何か忘れているような感じがする。

かなり前、そう、楓摩と出会うきっかけになったあの日、体験したような感じ。

依然、頭はガンガンと響くような痛みに襲われていて、もう、考える事もままならなかった。

布団に潜って、ギュッと堪える。

……楓摩…
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