ある雪の降る日私は運命の恋をする
「あっ!」

「ん?どうしたの?」

「あ、いや。」

「……ん?」

楓摩は、なにか言いにくそうにしながらも口を開いた。

「…………検査、しなきゃな…って……」

あ…………

すっかり、忘れていた。

「ま、まぁ!今日はやんないからさ!あの…その…えっと……明日?」

「……わかった。」

「朱鳥……。」

楓摩は、なにか寂しそうな顔してから質問をぶつけてきた。

「あの…こんな事聞くのもなんだけど……検査、やだ?」

楓摩はものすごく申し訳なさそうな顔をして顔を覗き込んでくる。

「……嫌に決まってるじゃん。…………でも、頑張るって約束したから。」

「……そっか。」

それだけ言うと、楓摩はニコッと笑って頭を撫でてくれた。

「朱鳥は偉いね……でもさ、なんでも自分で抱えないで辛くなったら俺に言ってな?俺でよければいつでも相談乗るからさ!」

楓摩…………

私は改めて楓摩の優しさに気づいた。

楓摩はきっと、私がムリしてるって気づいてる。
けど、あえてそれを指摘しないでさりげなく気を使ってくれる。

「……楓摩」

「ん?どした?朱鳥」

「……私…不安…………なの…」

なぜか、震える声。

抑えようと思っても抑えられない。

「うん。よく言ってくれたね。ありがと!」

楓摩は、また頭をクシャっと撫でてくれた。

「朱鳥は何が不安?検査?それとも病気?」

優しく、子供に聞くように聞いてくれる。

「……全部。全部不安。明日の検査も怖いし、病気だって勿論怖い。それに、自分が自分じゃないみたいで……」

私は、思ってた事を全部話した。
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