ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side

「朱鳥ー、おはよー」

「…おはよ」

病室に入ると、朱鳥はものすごく暗い顔をしていた。

「テンションダダ下がりだね(苦笑)まあ、今日の検査は午後からだから午前中はリラックスしてな。」

「うん……」

「じゃ、診察するね。」

そう言うと、朱鳥はゆっくりした手つきで服を捲ってくれた。

でも、顔は俯いたまま。

いつも通りの手順でパパッと診察を済ませてから、朱鳥の頭をポンポンと撫でる。

すると、朱鳥は少し驚いたような顔をして顔を上げた。

「朱鳥、今日俺、午前中は外来あるんだ。だから、午後からになったんだけど、午前中は暇でしょ?…だったら、病院の中庭までなら行っていいよ。愛依ちゃんも、もう退院だからさ一緒に行っておいでよ。」

そう言うと、朱鳥は少しだけ表情を明るくさせた。

「行ってくる?」

コクン

「わかった。あ、でも外にいるのは、30分までね。それ以上居て風邪ひいたら困るから。わかった?」

コクン

「うん。じゃあ、朝ごはん食べてから行ってらっしゃい。」

そう言って、もう1度朱鳥の頭をポンポンと撫でると、朱鳥は嬉しそうな顔で笑った。
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