ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥、明日学校行く?」

「いいの!?」

「うん。この前の治療も昨日の検査も頑張ってたしね。」

「行く!!絶対行く!!」

「わかった。でも、まだ体力も回復仕切ってないと思うから午前中だけね。いい?」

「うん!!」

この前、一時帰宅した時には、学校に行ける予定だったが、あの事件のせいで行けなくなってしまった。

だから、朱鳥が学校に行くのは、3、4ヶ月ぶりとなるだろう。

朱鳥が入院している間に、新しい年になり、学年も変わっている。

だから、余計に嬉しいだろうな。

朱鳥は、今年高校2年生だ。

秋頃には修学旅行も待っている。

それには、行かせてあげたいな。

だから、その前にクラスに馴染めるように出来る限り学校に行かせてあげたい。

「じゃあ、学校に連絡しておくね。お昼になったら、真っ直ぐ家に帰るんだよ?」

「うん!!」

午後の授業は受けられないとしても、学校に行けるだけで嬉しいんだろうな。

「朱鳥も、ちゃんと茉夢ちゃんに連絡しておくんだよ?」

「うふふ、もうしてるよ!!」

そう言って携帯の画面を見せてきた朱鳥。

よっぽど、嬉しいみたいだな。

学校に行くのを許可しただけなのに、こんなに喜んでもらえるなんて。

朱鳥は、学校が大好きなんだな。

「じゃあ、明日、学校行くなら早く寝よっか。」

「うん!!やっと、一緒に寝れるね!!」

笑顔でそう言う朱鳥。

俺も嬉しいけど、なんだか気恥しい気分になる。

それから、俺たちは寝る用意をして、寝室に集合した。

朱鳥は、可愛い部屋着を着ていて、思わず見とれてしまった。

「ん?楓摩、どうかした?」

「いや……ただ、朱鳥が可愛いな…って///」

「ふふっ、ありがと。楓摩も可愛い!!」

「男に可愛いって、褒め言葉…なの?」

「…言われてみれば……」

俺たちは、顔を見合わせて笑った。

それから、布団に入って、手を繋ぎながら眠りについた。
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