ある雪の降る日私は運命の恋をする
病院に着き、朱鳥を診察室へ運ぶ。

診察室のベッドに寝かせてから、もう一度しっかりとした診察を行う。

熱は38.7。

さっきよりは、下がったけど、それでもまだ高いままだな。

聴診なども済ませ、朱鳥の頭を撫でる。

朱鳥、どうしたんだろう、倒れちゃったなんて……

具合が悪くなったら保健室に行くように言ったんだけどな…

保健室に行く途中で倒れたとか?

いや、でも、そこまで具合悪そうだったら保健委員ぐらいは着いていくだろ。

そんなことを考えていると、俺の携帯が鳴った。

そういえば、電源を切るの忘れてた。

俺は、一旦外に出て電話に出た。

「はい、もしもし。」

"清水先生ですか?俺、瀬川の弟です。兄貴に電話番号教えてもらって掛けました。"

「あぁ、瀬川くんか。どうしたの?」

"…実は、前苑の事で話があって"

「朱鳥?」

俺の頭に疑問符が浮かんでいく。

"前苑、今日倒れたの、保健室とか教室じゃなくて、4階の空き教室だったんです。"

「えっ」

朱鳥の学校では、保健室は1階にあるはず。

なのに、なんで?

"おかしいですよね…。でも、俺、その理由知ってるんです。今、電話で話すと長くなるので後から会えませんか?"

「うん。わかった。じゃあ、今日仕事終わったら瀬川くん家に行くから。」

"はい。わかりました。ありがとうございます。"

電話を切り、また朱鳥と元へ向かう。

朱鳥はまだ、眠っていた。

「朱鳥、どうしたの?なんで、4階なんかに居たんだよ……」

そう語りかけても、もちろん返事は無し。

ハァとため息をついて、俺は残りの昼休みの時間を全て朱鳥の隣で過ごした。
< 311 / 505 >

この作品をシェア

pagetop