ある雪の降る日私は運命の恋をする
朱鳥が泣き止んでから、俺は朱鳥を抱っこしてリビングへ向かった。

リビングのソファに一旦、朱鳥を寝かせて毛布をかける。

「……楓摩…ありがと」

とても小さくて、弱々しい声。

朱鳥の顔は、もう疲れきっていた。

俺は、1度台所に向かい、朱鳥の分と俺の分のホットミルクを作った。

お揃いのマグカップに入れて、朱鳥の所へ運ぶ。

ソファの前のローテーブルにマグカップを置くと、朱鳥は自分で体を支えて、少しだけ起き上がった。

「朱鳥、これ飲みな?暖かくて落ち着くと思うよ。」

そう言って朱鳥の頭を撫でる。

すると、朱鳥は小さく頷いてから、両手でマグカップを持ち、ホットミルクを飲み始めた。
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