ある雪の降る日私は運命の恋をする
「ふ……ぅま…………グスッ…ヒック……ご…めんなさい……」

俺に抱きついたまま、朱鳥は泣きながら俺に事情を説明してくれた。

「……あ…………のね…グスッ……私………学校…楽しめなかった…グスッ……」

泣いている朱鳥の背中を擦りながら俺は話を聞く。

「学校……行ったらね…グスッ……みんな、私の事嫌だったみたい………私の事嫌いみたい…ズル休みなのに……私たちだけ必死でズルイって…ヒック……私、ズル休みじゃないのに…グスッ………わ、私だって…辛くて……苦しかった………痛い事も我慢した…なのに、なんで?……ねぇ、楓摩!!…辛いの我慢したら良いことがあるんじゃないの?違うの?私は、いつまで我慢すればいいの?いつまで、辛い気持ち我慢すればいいの?」

朱鳥は、涙で顔をグシャグシャにさせて、泣いた。

とても辛そうな顔。

聞いているだけで、こっちまで胸が痛くなるような切実な叫び。

それから、俺は、もう一度朱鳥と向き合ってから、さらに強く朱鳥を抱きしめた。

朱鳥は、声を上げて泣き、俺も涙をこぼした。

「朱鳥、ごめんね。我慢ばっかりさせてごめん。辛かったよね…早く気付いてあげられなくてごめんね。辛い思いばかりさせて、ごめんね……」
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