ある雪の降る日私は運命の恋をする
そのまま、朱鳥は泣き続け、気付けば俺の腕の中で眠りについていた。

苦しそうな顔で眠る朱鳥の頭をそっと撫でてから、俺は朱鳥を抱っこして寝室へ向かった。

ベッドに朱鳥を寝かせて布団をかける。

それから、しばらく朱鳥の傍に黙って座っていた。

朱鳥は、時より眠りながら涙を流していた。

それに、悪い夢でもみているのか、少し魘されているようだった。

「……ぅ…………うぅ…楓摩……」

そう朱鳥が寝言で言う度に

「大丈夫だよ」

と言って朱鳥の手を握った。

それでも、まだ朱鳥は苦しそうだった。

だんだんと俺も眠くなってきて、1度寝るための準備と明日の用意をする為に朱鳥の傍から離れてリビングへ行った。

それから、服を着替えたり、歯を磨いたり、明日の持ち物を確認してから、また朱鳥の元へ戻った。

寝室に入ると、朱鳥は泣いていた。

眠りながら泣いている。

俺は、布団に入り、朱鳥の隣に寝っ転がって朱鳥の事を抱きしめる。

すると、少しして朱鳥は泣き止んだ。

でも、俺が離れると泣いてしまう。

……この前にも、こんな事があったな。

朱鳥の心がとても不安な時に起こるみたいだな。

明日、元気だったら、家で安静って言えるけど、具合悪くなりそうだから病院かな……

きっと、朱鳥また嫌だって言うよね……
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