ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥、よく頑張ったね。」

そう言って、処置を終えた朱鳥を抱き上げる。

朱鳥の体は熱くて、朱鳥もグッタリとしていた。

「ごめんね、熱高いのに……疲れちゃったよね。病室戻ってゆっくり寝よっか。」

コクン

処置室を出て、朱鳥の病室へ向かう。

また、しばらくはここでの生活だな。

早く、本当に退院できるといいんだけどな…

病室に入って、朱鳥をベッドに寝かせる。

「朱鳥、俺ちょっと点滴取ってくるね。」

俺は1度病室を出て、肺炎の時に使う薬の点滴を取りに行った。

朱鳥の前では笑顔でいたけど、実際に朱鳥から離れると、やっぱり暗い気持ちになる。

朱鳥の辛い様子を見ていると、悲しくなるし、それに、この前の学校の事もあったから、余計にな………

病室から出ると、少し歩いた所で陽向とあった。

「よ、楓摩。朱鳥ちゃん戻ってきたんだって?」

「陽向…。」

「どうした?そんな、暗い顔して。また、何かあったのか?」

「まぁ、ちょっとね」

「お前が、それを言う時はかなり悩んでる時だろ?まぁ、今は忙しそうだし、後で勤務が終わったら話そーぜ?」

「うん。ありがと。」

それから、陽向と約束をしてから、俺は本来の目的、点滴を取りに行った。
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