ある雪の降る日私は運命の恋をする
「グスッ…………ヒック…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

色々な気持ちが飛び交って、頭がグルグルする。

理由もなく泣き叫びたくなって、それがダメな事だとわかってても自分で制御できなくてただ、ただ、泣き叫び続けた。

異常なほど、自分に腹が立って、ムシャクシャして枕や布団、その周りの荷物などを投げた。

点滴も抜いて点滴台を倒した。

ガシャンッ

と大きな音がする。

そこで、私は自分が何をしたのか気付いた。

今度は罪悪感が胸を襲ってきた。

「……う…………あ…ヒック……ご…………ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい!!」

体育座りのような格好で膝に顔を埋めて、ただひたすらに"ごめんなさい"を連呼した。

「ごめんなさい…ごめんなさい……………っ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ガラッ

「朱鳥っ!!」

楓摩が入ってきて、私の元へ駆け寄る。

「朱鳥、大丈夫?どうした?」

また、楓摩の困った顔だ……

ほら…………また人を困らせてる…

「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

「朱鳥っ、大丈夫?謝らなくても大丈夫だよ。どうした?落ち着いて?」

そう言って、楓摩は私を抱きしめてくれる。

「うぅっ……ヒック…ハァ……ハァ……ヒック…ハァ……ハァ……ヒック…ヒック……ハァ……ハァ……ハァ……」

パニックになって、過呼吸になる。

息が出来ない。

呼吸の仕方がわからない……

「朱鳥、落ち着いて、ゆっくり深呼吸だよ。スーハースーハー」

「グスッ…ヒック…ヒック……ハァ……ハァ……」

頭がガンガンと痛い。

涙で目も見えないし、焦りすぎて楓摩が何を言っているのかもわからない。

息も出来なくて、ただ苦しさだけが体を襲う。

怖い…

全てが怖い……

このまま、息が出来なくて死んでしまうのではないかという恐怖。

周りが見えない、聞こえない恐怖。

苦しさからくる恐怖。

全てが怖くて、私は泣き続けた。

過呼吸も止まらなくて、いつの間にか息すら出来なくなっていた。

そこで、私は意識を失った。
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