ある雪の降る日私は運命の恋をする
それから、隣の朱鳥ちゃんの病室へ行く。

朱鳥ちゃんは、まだ眠っている。

呼吸も落ち着いていたので、軽く診察をしてから酸素マスクとモニターを外してあげた。

それから、点滴を変えて病室を出ようとした。

その時

俺の白衣の裾を引っ張られた。

見ると、朱鳥ちゃんが涙を零しながら俺をジッと見ていた。

「あ、朱鳥ちゃん、おはよ。体調はどう?」

そう言うと、朱鳥ちゃんもコクンと頷くだけ。

「大丈夫?」

コクン

「そっか。」

そう言うと、朱鳥ちゃんはもう1度俺をジッと見た。

それから、とても小さな声で

「………………楓摩は…?」

と聞いてきた。

俺は、1度朱鳥ちゃんのベッドの隣にある椅子に座って、朱鳥ちゃんの方を向いた。

「楓摩はね、今、少しだけ疲れちゃってるの。昨日の事も、楓摩は朱鳥ちゃんを傷つけたくて言った訳じゃない。楓摩は、頑張りすぎちゃうから、今日は休ませてるんだ。だから、今日は来れないかもしれないけど、そっとしといてあげてくれる?」

そう言うと、朱鳥ちゃんはまたコクンと頷いてくれた。

「ありがとう。じゃあ、またね。」

そう言って、俺は病室を出た。
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