ある雪の降る日私は運命の恋をする
2人とも落ち着いたあと、俺たちは朱鳥のベッドに腰をかけて座っていた。

すると、朱鳥が心配そうな顔で俺の顔を覗き込んできた。

「……楓摩、大丈夫?」

「え?」

「楓摩、ものすごく疲れた顔してるよ?」

図星を指され、少しだけ焦る。

「…あ、ごめん。大丈夫だから。」

俺は、そう言って誤魔化そうとする。

だけど

「だーめ。だって、楓摩、ものすごい悲しい顔してるよ?本当は、泣きそうなんじゃないの?」

「…っ…………そんなこと…」

「嘘だ。そんなことある。だって、私もそうだもん…なんでもないのに毎日、泣きたくなるよ?……それが、楓摩に迷惑をかけてるのも知ってる。だけど、意思とは関係なく涙が出ちゃうんだもん。……だから、泣きたかったら、泣いてもいいよ?」

そう言って、俺のことをまた、ギュッと抱きしめてくれる。

いつもは、俺よりも弱くて小さい朱鳥が、今日はなんだかとても頼りがいのあるお姉ちゃんのように感じた。

俺は、それに甘えて、朱鳥を抱きしめたまま、涙を流した。

朱鳥は、本当にすごいや……

朱鳥に許して貰えたこと

朱鳥に嫌いじゃないと言われたこと

それは全て嬉しかった。

だけど、今になって、そこまでの不安が戻ってきて、泣きそうになっていた。

心の重荷が下りると同時に涙腺がゆるくなっていた。

それを、朱鳥は見抜いてくれた。

本当に、朱鳥には感謝してもしきれないな。
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