ある雪の降る日私は運命の恋をする
夜中

「……やぁっ!!…グスッ……はぁ…はぁ…………」

朱鳥の泣き声で目が覚めた。

「っ!!朱鳥!?大丈夫?どうした?」

寝起きで、焦ってしまう。

「…楓摩!!」

朱鳥は、俺に抱きついてきて、俺の服に顔を埋めた。

椅子から立ち上がり、朱鳥を抱っこしてあやす。

「大丈夫?どうした?」

「グスッ……ま…わり…………の人が…ヒック……」

「ん?」

「………こ…わぃ……グスッ…はぁ……はぁ………」

「周りの人が怖い?」

コクン

「そっか。怖かったな。」

朱鳥には、深く聞き出すよりも、慰めてあげる方が良い。

聞き出すと、もっと思い出してパニックになってしまう。

だけど、何も聞かずに慰めてあげると、朱鳥も落ち着いてくる。

今回も、もう朱鳥はウトウトとし始めていて、もうすぐ寝るだろう。

朱鳥が悪夢を見てしまう原因も取り除かないといけないけど、それを聞き出すのは慎重にしないといけないからな……

朱鳥のために頑張らないと…
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