ある雪の降る日私は運命の恋をする
「…ぅ…………やだよぉ……痛いよぉ…………」

泣いている朱鳥の涙を拭って、朱鳥の手を握ってあげる。

「大丈夫…大丈夫……」

眉間にシワを寄せて、苦しそうに涙を流している。

熱は下がってきたみたいだが、悪夢のせいか、汗もビッショリかいている。

眠っている間まで苦しい思いをしている朱鳥が可哀想でしかたなかった。

こんなに、ずっと苦しい思いをしてるんだから、きっとこの後は病状も良くなるだろう。

そう考えて、俺はただただ朱鳥の病気が良くなることを願った。

朱鳥の病気が治ったら何をしよう……

一緒に暮らして、いろんな所行って、いっぱい思い出作って……

ゆくゆくは、プロポーズとかしたりするのかな…

なんて、考えたりして。

今は、こんなに昔の嫌な思い出に囚われて、苦しい思いをしている朱鳥も、いつか、病気が治って、俺と楽しい毎日を過ごしていけたら、昔の事も忘れられるのかな……

いつか、毎日笑って過ごしてくれる日が来るのかな。
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