ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side4

朱鳥が怪我をした。

額が2cmくらい切れていて、傷口も深い。

だから、縫わせて欲しい…と言ったけど……

朱鳥はすでに泣き出しそうなほど目に涙を溜めている。

「朱鳥……」

「…やだ…………痛いの…嫌……」

「ごめん。すぐ終わるから。お願い。」

そう言うと、朱鳥はポロポロと涙を零して、泣き始めてしまった。

「泣かないでよ…」

俺も、朱鳥に泣かれてしまっては、やりにくくなる。

しょうがなく、朱鳥を抱っこして泣き止ませる。

「ごめんね……」

しばらくあやしていると、朱鳥は泣き止んだ。

俺は、朱鳥をベッドに下ろして、俺もその隣に座って朱鳥の背中をそっと撫で続けた。

すると、少しして、朱鳥がゆっくり口を開いた。

「…………ん……る…」

「ん?」

「………………頑張る……」

「朱鳥…」

そう言うと、朱鳥は黙って俺の手をギュッと握った。

「偉い!!偉いね!!」

そう言って、俺は朱鳥の頭をワシャワシャと撫でた。

朱鳥は、俺にギュッと抱きついてきた。

俺は、また少しだけ朱鳥を抱きしめた。
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